シングルマザーが、家を買いました。ただそれだけの記録です。
だれかの希望になったり、応援したり、背中を押したり、ましてや虚勢をはったり、女性の権利拡大を訴えたり、そんなことはしません。
ただ、私が、家を買った話です。
現在私が住んでいる家
離婚して関東から関西に移住。
貯金ゼロ、仕事も決まっていない、幼児と2人で入居できたのは、初期費用ゼロゼロの、築半世紀の2DK。
2DKといっても、各部屋が襖で仕切られているだけの、まじでめっちゃ昭和なおうちです。
ベランダには蜂の巣があり、洗たくものは外に干せません。
歩くと床はミシミシいうし、押入れは開けるたびに扉が外れるし、
追い炊きはできなくて、お湯のカランをひねると80度くらいの熱湯がでます。
となりの人が風邪をひいたのもすぐにわかります(咳が聞こえる)。
死ぬほどでかい蜘蛛がでて、ツイッターに泣きついては優しいフォロイーさんがずっと慰めてくれたこともありました(その節はありがとうございました)。
たまに遊びにきた同僚はみんな口をそろえて「……まじで?」と言いました。
まじで、「令和に住む家」じゃない外観です。お化け屋敷です。
実際、娘も学校で「おまえんち、おっばけやーしきー」と言われていました。親子で笑い飛ばしました。
でも、私と娘はなぜかここがとても気に入ってしまい、仕事が見つかり、資格をとり、軌道に乗り、会社員の平均年収くらいもらえるようになっても、ずっとこのアパートに住んでいました。
何度か引っ越す?と提案してみたものの、娘はそのたびに嫌がり、そうかそうかと、狭くて古いながらもやっと手に入れた私たちだけの空間を、私たちはとても愛してここまで暮らしていました。
引越を決めた理由
とはいえここにきてコロナです。
壁の薄い家での在宅勤務、さらには小学校の休校、二人で24時間生活し続けるには、かなり限界だなとも感じていました。
娘の荷物もどんどん増え、入居したときには「大人と幼児」だった我が家が、ほぼ「大人二人」の暮らしに近づいてきました。
賃貸物件と預金通帳を眺めながら、ふと、「家を買う、というのはどうなんだ」という気持ちがむくむくと湧き上がってきたのです。
賃貸か、購入か
関西に移住したのは親族が近くにいるから、という理由だけで、いつか自分は東京に戻るんだ、という気持ちもありました。
賃貸ならどんなライフスタイルも自由だし、新しいパートナーだってできるかもしれないし、気軽だし、身軽だし、家を購入するなんてことはかつての自分の選択肢にありませんでした。
40歳が見えてきて、仕事も落ち着いてきて、たぶん自分は定年までなんだかんだでこのジャンルの仕事をして、娘はこの町でできた友達と繋がりを深めて……そんなことを考えているうちに
「おや、もしかして私はこの町にいたいのではないか?」と気が付きました。
あと、「別に新しいパートナーも…いらねえ」これに気付いてしまった。
ずっと同じ町に住み、仕事はいつかなくなって、娘が巣立っていったとしても、時々帰ってくる場所をつくりたい。そんなことを考えているうちに、「え、家ほしい」と相成った所存です。
その日の衝動が垂れ流れた。
知らないこと多すぎ~
ところで私宅建士の資格も持っておりまして、仕事でも山ほど不動産関係の契約書を見るのですが、いざ実際自分が家を買うとなったら、知らないことが多すぎて笑いました。
「え、何からやればいいの?」
「お金はどうするの?」
「なにをもって決めたらいいの?」
住宅関連の本を山ほど買い、すみずみまで読みました。
読んだ本たち。こういうとき、調べものばかりしてる仕事で培ったスキルが役に立ちます。
家かうときのアレコレ超面倒だった!
実際に資料請求すると次々かかってくる営業のお電話。それは全然想定内だったのですが、「シングルのご家庭ですかぁ~?笑」みたいなたまーーーにちょっと半笑いの営業マンさんに出会ったりして、イラッとしました。
(それもツイッターで愚痴ったところたくさんのご意見いただきました、その節はありがとうございました)
実際にお会いしてみるとみなさんいい人だし真剣に相談に乗ってくれますし、まあ結局のところ、「ローンが組めまっせ」というツヨツヨの態度で挑めば、馬鹿にされたり嫌な態度をとられることは全くありませんでした。
電話だけだとそこまで伝えきれませんからね。
「買うぞ」から「買ったぞ」まで、1ヶ月かからなかった理由
めちゃくちゃ限定的な場所で探したこと、今住んでる家がお化け屋敷すぎてほとんど「こだわりポイント」がなかったこと、、、などいろんなアレがありますが、
私はとにかくせっかちなので、「いったん考えます」「もちかえって検討します」ということができない。
家買いたいと思った当日に本を買い、翌日には税理士さんと不動産屋さんと銀行に相談予約を入れてしまいました。
すぐに全部調べてすぐに結論を出したい。
あまり法務に向いていないのかもしれないですね…サービス業の意思決定スピードに慣れすぎたなあと思っています。
ローンは組めたのか
正社員で、10年くらいの勤続年数があったこと、ほかの借り入れがなかったことですっと組めました。シングルマザーだから無理ということはないらしいです。
シングルマザーで10年フルタイム正社員。
子どもや私、どちらかが体調を崩したり、保育の場に巡り会えなかったりすれば、あっという間に水の泡になるような不安な日々でした。
努力もしたけど、努力だけではどうにもならないことがたくさんあった。それは本当に思います。
シングルマザーの奮闘記についてはこのブログでも何度か書きました。
ローンはどうするのか
もーこれも超面倒!理解してない概念が多すぎた。
固定金利…変動金利…元利…元金…繰り上げ返済…団信…相続…
特に最後の相続問題はここでひとつ話をせねば、と親とめちゃくちゃ金の話しました。
シングルマザーになって数年間、あれやこれやと節約技を検討してはちょこちょこと貯めてきた微々たる貯金ですが一気に数百万頭金で出ていくことになって笑った。
超~怖い!!!!うける!!!!
これからまたコツコツ貯めますーーがんばれ私!
家を買うのは「めでたいこと」なのか
ツイッターで家買った報告したらたくさんの「おめでとう」をいただきました。
本当にありがとうございます、うれしい。
まあ、「めでたい」というか、「節目」みたいなアレですかね。なんにせよありがとうございます。
いまこの時代に「家を買う」のは正解なのか
結婚して、子供が生まれて、ローンを組んで家を買う。
それがふつうのおとなだと思っていました。でも世の中も変わってきたし、経済も全然様相がちがってきて、結婚すれば正解か、子供を持てば正解か、家を買うのが正解か、全然そんなことはないよなあと日々思います。
結婚したことも子供を産んだことも離婚したことも、二人でここまで生きたこともこれから生きていくことも、正解か成功かわからないけど、まあとにかくやってみます、といった具合です。
家を買ったことももしかしたら何回も何百回も後悔するかもしれないけど、結局いつだって隣の芝は青いからな!
シングルマザーでも家を買える、と言ってみたものの。
殊更に「シングルマザー」という属性を強調して家を購入したことを報告しましたが、それで誰かの希望になったり、離婚の背中を押したり…というような意図はありません。
でもまあ、世の中は着実に変わっているし、私は私のしたいように生きるし、そういう生き方もあるよというメッセージに加担できたなら、とてもうれしく思います。
頭金払って、ローン組んで、家を買うだなんてこと、離婚したばかりのときはとてもじゃないけど想像もできなかった。
「みんなもできるよ」じゃないです。なかなかいばらの道です。でもいつか、「別にふつうに選択できるよ」みたいな世の中になるといいですね。
ということで、一区切り。これからも頑張ります。まずは健康第一。みなさんもご安全に。
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家計についていろいろ研究しております。末永くお付き合いください。
子育ても大変ですな!
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